京都大学名誉教授の小林芳正氏が現代社会における「低周波音問題」について論じている。
・低周波音被害の症状と特徴
・聴こえない低周波音に悩む
・環境省「参照値」と諸外国の状況

「京都の科学者」No.171号(2017年8月号)掲載
http://www.eonet.ne.jp/~kosmoso/kyoutonokagakusha.html


オーストラリアABCTodayTonightより風力発電の問題点。
日本でいうNHKのような放送局です。



風力発電は本当にエコなのか? 武田恵世氏講演動画

2013年6月2日、和歌山市勤労者総合センターで開かれた講演会の動画です。
風力発電は本当にエコなのか? 「風力発電の不都合な真実」
講師:武田恵世(歯科医師)、アドバイザー:汐見文隆(医師)

「その1」は13分から本題に入ります。13分までは音声が聞き取りにくく、前説部分でもありますので、お忙しいかたは「その1」の13分からご覧になってください。


  NHK山口放送局・2014年4月30日放映

  安岡沖洋上風力発電計画の騒音・低周波音問題について、NHK山口放送局が昨年4月に放映しています。住民の反対は現在も変わらないばかりか、更に大きな反対運動になっています。


2014/12/20:消費者庁・低周波音被害認める

毎日新聞:2014年12月20日ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

消費者事故調:「エコキュートで不眠」指摘 低周波音原因か

 ヒートポンプ式給湯機「エコキュート」から発生した低周波音で不眠などの健康被害を受けたとの申し立てを受け、因果関係を調べていた消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は19日、低周波音を含む運転音が原因の可能性が高いとする報告書をまとめ、公表した。国の機関が家庭用ヒートポンプの低周波音による健康被害の可能性を指摘するのは初めて。

 エコキュートは、大気中の熱を集めてお湯を沸かす家庭用ヒートポンプ式給湯機の愛称。電力各社と住宅関連メーカーが普及をはかっている。累積出荷台数は約450万台。機器は屋外に設置され、運転音は、湯を作り出すヒートポンプユニットの圧縮機や送風機から生じる。安い深夜電力を活用し夜間に稼働しており、同庁には2009年9月から今年2月までに、運転音による不眠などの健康相談が112件あった。

 調査を申し立てたのは群馬県の50代夫婦。約2メートル離れた隣家に設置された機器の運転が始まると、不眠や頭痛、めまいなどの症状を感じるようになった。

 事故調は、類似の18件も調査。その結果、機器の設置と発症が同時期▽撤去や移設で症状が改善したケースがある−−などから、夫婦については低周波音を含む運転音と因果関係がある可能性が高いと判断し、他の18件も否定できないと結論づけた。【江口一】

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■ことば◇低周波音:人の耳には聞こえにくい周波数が1〜100ヘルツ程度の音で、エアコンの室外機、風力発電などの固定音源のほか、車のアイドリング音など移動音源も原因になる。健康に与える影響や健康被害が発生する条件などについて世界中で研究が進んでいるが、科学的に確定した結論は出ていない。


読売新聞:2014年12月19日ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「エコキュート」の音、健康被害原因の可能性

 消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は19日、隣家の家庭用ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の発する低周波音で健康被害を受けたとする群馬県高崎市の夫妻の申し出について、「給湯機の運転音が原因である可能性が高い」との報告書を公表した。

 類似事案の調査でも同様の結果だったとして、経済産業省や環境省に対し、メーカーへ改善を指導するなどの対策を求めた。

 エコキュートにはファンなどがあり、人の聴覚では聴き取りにくい低周波の運転音が出る。夫妻から2012年10月に調査の申し出を受けた事故調は、撤去後に不眠や頭痛の症状が改善されたことや、音の大きさと症状の程度に関連性があったことなどから、健康被害はエコキュートの運転音による可能性が高いと結論づけた。ただ、運転音の中の低周波音が要因かどうかは明確にならなかった。

 畑村洋太郎委員長は「エコキュートは今後も普及が見込まれる。メーカーも健康被害のリスクを下げる努力をお願いしたい」と述べた。

 消費者庁によると、「給湯機の運転音や振動が原因で不眠症になった」といった相談が09年9月~今年2月に計112件、国民生活センターなどに寄せられた。メーカーが加盟する「日本冷凍空調工業会」によると、エコキュートの累計出荷台数は約450万台で、同工業会は「報告書を真摯に受け止め、対応したい」としている。


朝日新聞:2014年12月19日ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

増えるエコキュート、近隣トラブルに多くは隣家が設置

家庭用エコキュートの累計出荷台数 家庭用エコキュートの累計出荷台数

  家庭用エコキュートの国内累計出荷台数は少なくとも9社で計約450万台を超え、年間約50万台のペースで増えている。消費者庁が09年9月~今年2月に把握したエコキュートをめぐる健康被害相談112件のうち、約94%が隣家に置かれていた。近隣トラブルの原因になることも少なくない。

エコキュートの低周波音「健康への影響、可能性ある」

 群馬県の夫婦は09年春以降、新築の隣家に設置されたエコキュートの「グーン」という低い音で不眠に悩まされるようになった。11年7月には、隣家を建てた住宅メーカーなどを相手取り損害賠償を求めて提訴し、2年4カ月後にメーカーなどの負担で電気温水器に替えることで和解が成立。ただ、和解条件では低周波音と症状の因果関係には触れられていない。

 現在は症状が治まったという会社役員の夫(53)は「寝ることが闘いのような毎日だった。お隣さんとはいまも険悪な関係になっている」と話す。

 隣家に家族3人で住む女性(39)は、夫婦が苦情を訴える以前に起きた別のトラブルが問題の一因と推測する。両家の境、女性宅の敷地にコンクリート塀を作ろうとしたところ夫婦に撤去を求められたという。「塀のことで不満があったのかもしれない。裁判まで起こされ、今後も近所づきあいはできないと思う」(小寺陽一郎)

 

■騒音問題起きやすい

 〈低周波音に詳しい山田伸志・山梨大学名誉教授(騒音制御)の話〉 一般的にエコキュートがある北側は隣家の南側にあたり、その生活空間に近い。夜間に動き、自分で止められないため騒音問題が起きやすい。ただ、問題の背景に隣人とのトラブルがあるケースもある。近所づきあいが希薄な都会では隣人関係が悪くなりやすく、解決には行政などに第三者的な立場で間に入ってもらう必要がある。




2014/10/1:英王立協会、風車低周波被害を警告

ーーイギリスの新聞社テレグラフの王立協会論文に関する記事の邦訳ーー

 

テレグラフ・ニュース

― 風力発電施設の近くに住むことで聴覚障害が起こりうる ―

(王立協会による新研究は、風車から発せられる低周波音によって引き起こされうる危険性について警告を発している。)

低周波音は内耳に影響を及ぼす

 テレグラフ紙:2014年10月1日

 低周波音によって起こりうる危険性について警告する最新の研究によると、風力発電施設の近くに住むことで、深刻な聴覚障害が起き、完全な聾の状態になることさえありうるとのことである。この研究は、風車から発せられるものと同様な低周波音に曝されたあと内耳の身体的仕組みが「急激に」変容したことをつきとめた。

 

 研究結果は、風車が近隣に住む人たちの健康に及ぼす悪影響について長い間訴え続けてきた批判的立場をとる人々にとってうれしい知らせとなるだろう。この研究は、新しく出たジャーナル、『オープン・サイエンス』の中で、本日、王立協会から出版されたもので、ミュンヘン大学の研究者グループによって実施されたものである。

 

 研究は18歳から28歳までの21人の健康な被験者からのデータにもとづくものである。研究者たちは、低周波に曝された後に、21人の被験者のうち17人の内耳から出る音のタイプに変化が生じたことをつきとめた。このような変化は、渦巻菅とよばれる、聴覚やバランス感覚に不可欠な、耳の中の渦巻状の空洞の部分で認められた。

 研究の著者の一人であるマーカス・ドレクスル博士は「私たちは人間の耳の極めて不思議な現象を究明しました。それは、健康な人間の耳が常に発しているかすかな音のことです。」と述べた。

「このような音は、聞くというプロセスの副産物として、常に耳から発せられる、ほんのわずかなヒューヒューという音のようなものです。私たちはこの音を内耳のプロセスがどのように変容するのかの一つの指標として利用しました。」

 

 ドレクスル博士とその研究チームは、90秒間被験者が低周波音に曝される前と曝された後、こうした自然に発せられる音を測定した。

 「通常耳から出る音は一定の周波数であるものだが、おもしろいことに低周波音に曝された後ではこれらの音が極めて急激に変化するのです。」と彼は述べた。

 「音は2分間にわたってゆっくりと振動し始めるのです。このことは低周波音によって生じる内耳のメカニズムの変化であると解釈できます。これは内耳が損傷を受けるということを示した初めての例となるかもしれません。」「もし長期間にわたって曝されたら、例えば風車の近くに住み、何年、何か月もの間、こうした音を聞き続けたら、一体どういうことになるかわかりません。」

 

 風車は騒音を出すが、それらの中にこの研究で使用された低周波音が含まれているとドレクスル博士は説明する。彼はこの研究が「風車の近くに住む人たちが訴えているような症状、例えば睡眠障害、聴覚異常、高血圧などのいくつかを説明づけるのに役立つのではないか」と述べた。

 ドレクスル博士は、低周波音は、たいていの場合、ただ単に人間の耳には聞こえないから「とても大きいとか耳障りである」というような尺度で感知できないのだと説明した。「周波数が低くなればなるほど人の耳には聞こえにくくなり、周波数が極めて低いときには全く聞こえないということもあるのです。」

 「聞こえないのだから問題はないと考える人もいますが、意識の中に入って来ていなくても実際に耳には入って来ているのです。」

 今週の初めに、こうもりが風車におびき寄せられて死ぬのは、そこを、ねぐら、えさ、異性が存在する森だと思うからだという報告がなされた。




2014/7/3:低周波は生理を狂わせる

          風車被害デンマークから

女性従業員の体調悪化とミンク(毛皮農場)胎児の奇形や死産との関係

掲載元:HP “Wind Turbine Syndrome”、医学博士Nina Pierpont, M.D., Ph.D.

 

デンマークの通信社(the Nordvestnyt (North West News) )が、風力発電タービンによって園芸農園が廃業に追い込まれたケースを報告している(2014年7月3日)。

http://wcfn.org/documents/wind-turbines-affect-menstruation-danish-press/ 


「私の農園では風車ができてから、全女性従業員が不規則な生理に悩んでおり、そのうちの幾人かは永続的な頭痛をかかえている」(デンマークの農園経営オーナー)

 

従業員の出産への影響を考慮して会社を閉鎖

 農園の従業員には頭痛が頻繁に発生し、女性従業員については生理不順や異常出血を訴えており、さらにより深刻な病気が引き起こされることを心配している。最近、彼らのうち5人が会社をやめた。現在、園芸農場経営者は、ユトランドの風力発電所に近い毛皮農場のミンクの子供に起こったように、彼女らの子供が奇形で生まれることを恐れて会社を閉鎖した。

 園芸農園オーナーのボイエ・ジャンセン(Boye Jensen)さんは67歳。この園芸農場を43年前に始めた。努力の末、いまでは15人の従業員と年商1千200万クローネ(約2億1千万円)の売り上げを誇るまでになった。彼は、今後6-7年はこの仕事を続け、その後園芸農場を売却するつもりでいた。だが、いまこの農場はほぼ価値がなくなり、今後、莫大な経済的損失が懸念されている。

農場オーナーのジャンセンさん
農場オーナーのジャンセンさん

風力会社・自治体に損害賠償請求準備

 ジャンセンさんはいま、弁護士と共に、風力発電の所有会社であるバテンフォール(Vattenfal)を訴えるか、または彼の農場から400-700mの距離に設置許可を出したホルベック(Holbaek)の自治体を訴えるかを検討している。裁判では、数百万クローネ(1億円規模)の損害賠償を求めることにしている。

 ”3年前に設置された高さ127㍍の風力タービンの近隣の住人として、彼は、その風車タービンから出る低周波は、動物がそうなったように住人を病人にすると確信した。” 最近、彼は近所のミンク農場(Kaj Bank Olesen)について、衝撃的なニュースを聞いた。このニュースはジャンセンさんに、従業員が健康上の理由で辞めたこととも相まって、園芸農場の経営は風力発電を容認できないと気づかせたのだった。

低周波によるミンク(飼育農場)胎児の奇形や死産の頻発

 ジャンセンさんに会社経営を辞めるという耐えがたい決断をさせた理由は、ユトランド(Jutland)のミンク(毛皮生産用)ブリーダーが飼育するミンクについて、その子供ミンクの三分の一が奇形や死産で失われたことと、巨大な風力タービンが近くに建設されたこととの因果関係を突き止めたからだ。 

デンマーク国会でも議論

 この件はデンマークでニュースとなり、デンマーク国会議員のKarina Adsbøl氏は議会公聴会で厚生大臣に危惧を表明することにつながった。すなわち、「風車タービンは、その近隣に生息することを余儀なくされる動物に先天的欠陥を起こし、さらには女性の生理周期をも乱すことになる」ということを。

 

研究者のコメント:社会に蔓延する風車建設寄りの研究報告

 風力発電タービンによる低周波と健康問題とが明らかな因果関係にあるにもかかわらず、そのことを政府が無視したり否定したり、民間企業の利益を擁護することは、これまでタバコやアスベスト、サリドマイドなどと同様な問題を引き起こすだろう。

年間を通して数多くの野鳥やコウモリが風車の羽によって殺されているケースの場合、風車推進派の側にたった虚位の研究報告が出されている。そしていまやそのような偽善は蔓延している。生物の種は急速に地上から消えている。そして風力発電施設の近隣に居住する多くの人々は拷問を受けているといえる。”拷問”と言う言葉はけっして誇張ではない。睡眠妨害は明らかに拷問と見なしてもよいものだ。

 

メガタービン(出力1MW以上)は住宅地から10km以内に建てるべきでない

 デンマークでは、(多くの風車は郊外の農地に建設されているので)数多くの郊外居住者は、この睡眠妨害を被っている。特にメガタービン(1MW以上の出力を持つもの)が建てられるようになって激しくなり、このメガタービンは出力が大きくなるほど低周波音をより多く放出することが判っている。

 カナダやオーストラリアを含むいくつかの国々は、風力発電所からでる騒音問題を委託研究している。しかし、研究の範囲とその方法論については、おそらく意図的にうまくいかない運命にある。本来必要とされる調査は、

⭕️  疫学的研究、

⭕️風力発電所の被害を受けている家庭内の屋内で、問題の被害を受ける方向から風が吹いている時の、夜間、窓を閉め切った条件での、低い周波数騒音(0.1Hz以下の低周波音を含む)の測定である。

 とりわけ、予防措置として、上に掲げた研究が終了し報告書として公表され評価されるまで、メガタービンを居住地から10km以内に建設することを中止する措置だ。これに関しては、低周波音は他の周波数帯の音より遠くに伝わり、10kmかそれ以上の距離の屋内にいる敏感な人を苦しませるという確かな説得力のある証拠がある。10kmより短い距離の場合、風力発電タービンの出力に応じた、小さなタービンを一時的に設置することも可能であろう。